神戸高専 Robocon History '99

第12回 '99 「Jump To The Future」
夢橋龍χ(ユメキョウリュウカイ)1号2号+3号 地区大会:ベスト4、関西電力賞
 親機が橋をかけ、子機がその上を滑り降りてフューチャーゾーンに渡る橋型のマシン。 1号は親機、2号は子機、そして3号は操縦者です。 確かこの時マシン名の文字数制限が12文字でそれ以内には収まっているのですが、 読みはやたら長いという司会者泣かせのマシン。実際は夢橋龍って言われてましたが。

 箱は伸縮式のアームで親機内に取り込み、回転ローラーで予めフューチャーゾーンに飛ばします。 その後、3関節で折りたたんでいた橋を展開。橋先端につながるワイヤーを繰り出しつつ、 下側関節につながるワイヤーを巻き取ることでこの形の展開を実現しています。 橋には2つのレールがついており、この上を子機が専用の内輪で滑り降りてフューチャーゾーンに渡ります。 また橋の先端にはケーブルを引っかけるフックがあり、展開と同時にケーブルもフューチャーゾーンに渡してくれます。

 子機はフューチャーゾーンに渡ると、予め飛ばしてあった箱を掴んで得点します。 シンプルで軽量なマシンのため、着地の衝撃吸収はタイヤのスポンジのみ。 この子機のポイントは、箱の側面だけでなく角も持てるという事。 むしろ角を持つことを一番に想定しています。 箱の側面を持つために子機アームの位置取りを調整する必要はありません。 これにより、箱をつかむ、持ち上げる、スポットの置く、の1連動作を非常に素早く行えます。

 近畿大会では1回戦シードで2回戦から登場。 箱をフューチャーゾーンに送り込み、子機も送り込もうとするも橋の展開前にタイムアップとなり電力判定で勝利。 準決勝ではスタートと同時に誤って子機が発進。子機の駆動輪を回すことで親機との接続が外れるのですが、 これが仇となり子機が飛び出して橋を押しだし、フィールド外にはみ出してしまったため減点-1で敗退。

 りゃれんじろうの説明で詳解しますが、この年の近畿大会は凄まじいものがありまして、 マシンと箱をフューチャーゾーンに送ることができたのは、ちゃれんじろう(神戸)のみ。 マシンのみをフューチャーゾーンに送ることができたのは、Vスポット行ってきました(大阪)。 箱のみをフューチャーゾーンに送ることができたのは夢橋龍χ1号2号+3号(神戸)。 という事で、これでもまともに動いた方でした。関西電力賞。

ちゃれんじろう 地区大会:優勝、省エネルギーセンター賞
全国大会:2回戦(1回戦シード)
 伝説の0点優勝。なのに誰もが優勝と認め、本人達やNHK関係者だけでなく観客や対戦相手までも胸をなで下ろしたという、 ある意味この年の近畿大会を救ったマシン。 テストランでは全チーム中唯一全ての動作をこなしVゴールを決め、大会本番でも唯一箱を持ったマシンをフューチャーゾーンに送り込みました。 が、そこでもまた別の伝説を作ったのでした。

 アイディアはアンダースロー型カタパルトでかまぼこ型の子機をフューチャーゾーンに投げる方式。 モスグリーン色の本体は塗装したベニヤ板。木、アルミ、段ボールパネルを的確に使い分けています。

 動きは、まず子機から引き延ばされたメジャーの先端を箱に引っかけて子機内に取り込みます。取り込む箱は3個。 進入禁止ゾーンの手前まで移動したら、マシン上部に2つ伸びたアームを後方に倒します。 アームの先端にはウインチ用のモータが付いており、これが自重で落ちる力もカタパルトのゴムを引っ張る力に利用しています。 ウインチを巻き取るとカタパルトのゴムが引き延ばされ、子機発射のエネルギーを充填。 そしてカタパルトを解放する事で、アンダースローで子機をフューチャーゾーンに送り込みます。

 子機は衝撃吸収用のウレタンマットによるかまぼこ型をしており、起きあがりこぼしの原理で駆動輪を地につけます。 操縦ケーブル用のアンテナを立て、Vゴール付近まで移動。 箱の取り込みに使ったメジャーを更に巻き取る事で、子機の反対側から箱を出して得点。 また駆動輪とは別に設けた扁平タイヤを立てることで、箱の出口をVゴールの高さまで傾けてVゴールを狙う事が出来ます。

 この年の近畿大会は東海北陸と共に最も早く開催されました。 前日のテストランでは箱の取り込もすらできないマシンが殆どで、まともな試合が出来ないことは誰の目にも明らか。 教官会議で運営側から、ルール修正(箱を取り込みで1点、マシンのフューチャーゾーン超えで3点を加点)が提案されましたが、 それは自分達がやってきたルールと違うと、学生も教官も受け入れませんでした。 このルール修正は近畿、東海北陸以降の大会では正式に適用される事となりました。(全国大会ではマシンのフューチャーゾーン超えは2点) また、台の上の箱の並べ方をある程度の範囲で事前に調整できる(1列だけ箱の並び方向を変える、一部に隙間を空ける等)ようにもなりました。

 結果、大会では誰も得点を決めることが出来ず、反則の発生により大会の平均得点がマイナスとなる異常事態。 0点の同点時は、ルールに則り使用バッテリーの電力が少ない方が勝利となりました。(省エネルギーセンター協賛) ちゃれんじろうは箱取り込み時や、ウインチ巻き取り時のトラブルなどのためなかなかフューチャーゾーンを越えられませんでしたが、 バッテリーが小さかったため勝ち進み、準決勝でついに箱を持った子機をフューチャーゾーンに送り込む事に成功します。 しかしその時、勢い余った子機が操縦ケーブルを引っ張り、コントローラからケーブルがすっぽ抜けてしまったのでした。 (当時はリトライも無く、操縦者が入れないフューチャーゾーンに飛んでいってしまったケーブルをつなぎ直すことは出来ない) 司会のタージン曰く「彼は今飛びすぎたんです!」「これガムテープで貼っとくとかなかったんかいな」 最高の盛り上がりに最高のオチをつけつつも、マシンの性能と、本大会のルールが物理的に成立する事を観客に示し、 更には近畿大会のVTRにまともに使えるシーンを提供した功績は大きいでしょう。 そんな事もあったため、決勝でバッテリー勝利しながらも、優勝すべきマシンが優勝したと皆安心したのでした。

 全国大会ではいきなり全国準優勝マシン(石川高専 TURBO)に当たり敗退。 余談ですが、石川高専 TURBOも全国大会1回戦でフューチャーゾーンに飛んだ際、 コントローラからケーブルが抜けてしまうというトラブルに見舞われていました。

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